子どもには、バレエよりフラメンコを習わせた方が断然夢がある

幼い頃から、まわりの女の子たちはどうしてみんな揃いも揃ってバレエを習っているのか疑問だった。今は当時(20年以上前)と比べて不況ということもあって、子どもの習いごとにお金を積める家庭が減って、バレエ女子人口も減ってるかもしれない。でも、平成初頭頃には、猫も杓子もバレエ通いって感じだった。

 

みんながやってるバレエより、大穴のフラメンコ

「みんながやってるバレエを習うのは、なんかダサい」。憎たらしいクソガキだったわたしは幼ながらにそう思い、周囲にあまりやっている子どもの少なかったジャズダンスかフラメンコを習いたいと親に訴えた。結果、衣装が派手でかわいいフラメンコに軍配が上がり、小学校に上がると同時にフラメンコ教室に通い始めることに。

 

2000年代にフラメンコブームがあって、今でこそフラメンコ教室やら大学のフラメンコサークルやらがメジャーになったものの、わたしが通っていた90年代はまじでフラメンコ人口が少なかった。フラメンコを習っている子どもはその中でもさらに少なくて、そこそこ大手だったうちの教室(東京にある某舞踊団)には、小学生の生徒はわたしを入れて2人だけ。日本全国で見ても、小学生は多分数えるほどしかいなかったと思う。それもあって、舞踊団の大人たちからはすごくかわいがってもらってた。

 

お世辞にも、わたしはそこまでフラメンコの実力があったわけじゃない。それでも、ただ「フラメンコをやる小学生は珍しい」という理由だけで、新聞に取材されたこともある。バレエを習っていたとしたら、よっぽどの英才教育を受けた天才少女とかじゃない限り、メディアに注目されることはなかったと思う。

 

大人になってからの進路というか、仮に踊りでプロになることを考えた場合にも、フラメンコの方がバレエよりもハードルが低かったんじゃないかな。結局わたしは中学に上がる前にフラメンコはやめてしまったものの、仮にずっと長く続けていたら、プロのダンサーになる…というか、フラメンコ教室を開いてそこそこ食ってくことはそれほど難しくなかったと思う(詳しいことは知らんけど)。バレエよりも人口が少ない分、需要も少なかったものの、ちょうどその何年か後にフラメンコブームがきたわけで、当時のフラメンコ業界はまじでかなり大穴だったんじゃないかな。

 

英語とピアノより、キルギス語と二胡の方がキャリアにしやすい

「バレエよりフラメンコ習った方が将来なんとかなりやすい」っていうのと似たような話で、「日本社会で英語とピアノで食ってこうと思うと、倍率が高い分かなりのクオリティやその他の技能も求められる。でも、キルギス語と二胡だったら、圧倒的にキャリアになりやすい」みたいなことを、誰だったか偉い人が言っていたのを覚えてる。大学の講義で聞いたのか本で読んだのかは忘れたけど…。

 

二胡ではないけど、珍しい楽器奏者だったらタブラのU-zhaan(ユザーン)さんとか、最近SNSでバズったハンドパンの峯モトタカオさんとか。もちろん彼らは実力やマーケティング的な才覚もあったんだろうけど、やっぱり楽器自体の“物珍しさ” や “話題性” もかなり大きかったと思う。峯モトタカオさんのクオリティと同程度の路上演奏をギターでやったとしても、SNSであれほどバズりはしないっしょ、きっと。

 

リスクがない子どものうちは、とりあえず変なことやらせとけ

とはいえ、ニッチ産業がどれほどのビジネスになるかはギャンブルめいた部分も大きい。需要が少ないことも考慮すると、「ニッチだから」といってむやみやたらとビジネス目的で参入して成功するかはなんともいえない。

 

でも、子どもの習いごとレベルだったら、「将来ワンチャンあるかも」くらいのノリで珍しいものを習わせるのも十分ありだと思う。なんていうか、みんな「習いごとはバレエに水泳に〜」って、右にならえすぎる印象。もうちょい変なものやらせてみたら、意外な才能が発見されるかもしれないしおもしろい感じになりそう。